コンサートのレビューです。

御挨拶

早いもので菜の花コンサートも3年目になりました。時期もずれてなんだか「あじさい」の季節になりましたが、1回目のテーマが「あたりいちめん菜の花」でしたので、今年もそれを踏襲します。1回目は全部私の曲でしたが、一人だけの作品となると、どうしても傾向が似てしまう気がして、2回目は吉松隆氏の作品、丸山和範氏の新作をはじめとして、多才な人たちとの出逢いがありました。このコンサートの一つの軸は、邦楽と音律の方向性というものがあります。そういう意味では藤枝守氏は、「純正調」にこだわる数少ない作曲家で、私の「純正律」とは若干方向性の違いはありますが、音律と響きを重視する作風には私も共感する部分が多いです。ミニマル風の吉村さん、松尾ワールドの全曲版、そして医者で作曲家のドクター六花の新曲と色とりどりの内容になりました。皆さんどうぞお楽しみください。

純正律音楽研究会代表 玉木宏樹

昨年、洗足学園音楽大学に「現代邦楽コース」が新設され、同時に「現代邦楽研究所」も大学内に移管され、活発に活動を続けております。音律や音色にこだわって、日本の伝統楽器の持つ本来の音を引き出そうと始められた「いちめんの菜の花コンサート」は今年で3回目となります。当初は「純正律音楽研究会」の玉木宏樹作品のみでしたが、毎回少しずつ顔ぶれの異なる作曲家の作品を取り上げるようになり、新しい刺激の中から、様々な発見も生まれてきております。また石垣清美、福永千恵子、という優れた演奏家を中心に「現代邦楽研究所」の若手講師、「東京邦楽コンクール」の入賞者、「現代邦楽コース」の学生も加わり、洗足学園音楽大学の目指す、新しい邦楽の方向性を示唆する活動として、定着しつつあります。様々な楽器の音色と美しい響き合いをお楽しみいただければ幸甚です。今後とも皆さまのご支援、ご協力をよろしくお願い申し上げます。

洗足学園音楽大学教授 現代邦楽研究所所長  西潟昭子
1. 「アルマの雲2」吉村 弘作曲 1973年
  箏1: 石垣清美 染谷京子 木内恭子 石橋侑佳
  箏2: 福永千恵子 野澤佐保子 吉澤延隆 祇園博子
「植物文様 第十一集 箏笙組曲」
 藤枝 守作曲 1998年
  笙: 石垣清美 染谷京子 木内恭子 石橋侑佳
  箏: 福永千恵子 野澤佐保子 吉澤延隆 祇園博子
3.
「畝土奈(セドナ)」
玉木宏樹作曲 2006年
  箏: 野澤佐保子
  三絃: 野澤徹也
「さらし五変化」
松尾祐孝作曲 2004/2006年 全曲初演
  箏: 福永千恵子
  十七絃: 石垣清美
  三絃: 西潟昭子
  尺八: 山口賢治
「蒼く、長い、夜の夢」
福田六花作曲 2006年 初演
  尺八: 山口賢治
  十七絃: 染谷京子
  ギター: 福田六花
  パーカッション: 那須野 綾
「虹の螺旋 〜ヴァイオリンと邦楽器のための〜」玉木宏樹作曲 2006年 初演
  ヴァイオリン: 玉木宏樹
  三絃: 西潟昭子
  箏: 福永千恵子
  十七絃: 石垣清美
■日 時 2006年6月29日(木)PM7:00開演
■会 場 新宿オペラシティリサイタルホール
■主 催

洗足学園音楽大学・現代邦楽研究所

■共 催 純正律音楽研究会