2004年 1月
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1月30日(金)
昨日、現音のパーティーで久々に会った作曲家・篠原真氏から「たゆたい」があるので是非聴きに来てと招待状をいただいた。「日本の作曲・21世紀へのあゆみ」紀尾井ホール。福永千恵子さんの箏ソロ石桁真礼生作曲「箏独奏による黙示」(1972)の演奏がよかった。箏の音色が抜群にいい。池辺晋一郎作曲「雲烟」(1970)は初演 を聴いている。30年以上も前のことだが懐かしく、当時のメンバーのことなど思い出した。篠原真作曲「たゆたい」(1972)は1979年以来、さまざまな場所で何度も演奏している思い出深い曲。最近では昨年10月に橋本芳子リサイタルで演奏された。自分とは異なったアプローチで演奏されるのを聴くといろいろと勉強になる。また演奏したくなった。
1月29日(木)
今まで愛車だったセリカに代わって、新車のマツダRX-8で五反田「ゆうぽーと」へ。 恒例の日本現代音楽協会の新年パーティー。普段お世話になっている方や懐かしい顔ぶれの作曲家に会えた。わが現代三味線音楽協会と現音(略称)の共催で3月7日(日)日本橋劇場で「三味線フェスタ」を開催することになっている。私も松尾祐孝 作曲「コントラストリングス」をコントラバスの溝入敬三さんと演奏することになっている。彼に会ったら「おてやわらかに・・・・」と意味深に言われてしまった。演奏の時、私がオタオタするのを彼はよく知っているのだ。がんばるぞー。急いで帰って8時から現邦研の授業「演奏法について」講師・小泉浩(フルート奏者、芸大同級生)に出席。今日は池辺晋一郎作曲「たどるかたち」の公開レッスン。三絃:山本普乃、箏:野澤佐保子。フルートの名手と一緒に演奏出来るだけでも勉強になるのに、その上、ピタリと二人の弱点を指摘していた。さすがだ!終わってガラちゃん(小泉浩の芸大時代からのニックネーム)と鮨よしさんへ。
1月27日(火)
朝10時から国立国際医療センターの脳外科・近藤達也先生の特別定期検診日。10年前に竹内がくも膜下で倒れて以来、診察を受けている。近藤先生は我々の主治医である。アイスランドの事故の話をして今日はたっぷり検査をしていただくつもりでいた。ところが先生曰く「どこを検査するの?」「えっ、、頭とか、その〜」「まあいいんじゃないの〜どこも悪そうでもないし、、、」そういうモンでもないと思うのだけれど、、、、主治医がおっしゃるのでは仕方がない。すごすご半ばがっかりして帰ってきた。夜はオーストラリア大使館のレオニーさんの私邸でパーティー。昨年の竹内敏信「タスマニア」写真展のお疲れさま会でスタッフ一同の労をねぎらうものだ。タスマニアはおいしい食材に恵まれたユートピア。さすがにおいしいごちそうがテーブルに並ぶ。ワインもたっぷり。ダイエットは明日からにして、、、、ごちそうさま!

1月25日(日)
夜半から降り続いた雪が少し強い風をともなって寒い朝。豊栄市の福島潟に建つ自然博物館・ビュー福島潟では竹内敏信写真展「水の惑星」が開催されている。この写真展は一昨年、東京のキヤノンサロンを皮切りに、全国で開催されてきた。BGMは玉木宏樹氏のCDの中から私が構成したもの。雄大なアイスランドの風景にぴったりの音楽で満足。午後1時からは竹内の講演会。作品をスライド映写しながら2時間、写真への取り組みやさまざまな風景との出会いについて語る。夕方5時からネットワーク福島潟・邦楽を楽しむ会主催のコンサートは始まる。沢井忠夫作曲「三つのパラフレーズ」、玉木宏樹作曲「ジャワリ」「いちめんの菜の花」「四季のうた〜福島潟を詠んだ句より〜」「山頭火頌」。唄が続いたのでのどがカラカラだ。早くビールが飲みたい! 今夜は北へ1時間ほど走った胎内温泉。主催者の方々も皆で泊まって大宴会。しかし吹雪の中の露天風呂に入るには勇気がいる。結局夜は温泉に入れず、忘れられない思い出のコンサートツアーになった。
1月24日(土)
11時20分東京駅発、MAXあさひ。雪の新潟へ。明日、豊栄市ビュー福島潟で行われる「西潟昭子と現邦研の仲間たち」コンサートのため。野澤徹也、野澤佐保子、吉原佐知子、山口賢治。それに玉木宏樹先生と私。ビューに到着して軽くリハーサル。夜は美人の湯の月岡温泉に泊まる。6時半から皆で宴会だ。コンサート前日なので深酒には用心。玉木先生は新幹線の中から出来上がっていたけれど、、、、。山海の珍味をおなかいっぱい食べて、越後のお酒を程々に飲んだ後は温泉に入る。夜の部は2月末に行われる古典作品研究会の「越後獅子」「東獅子」を玉木先生の部屋で佐知子、佐保子と共に練習。♪チンリンリン〜コロコロリン〜♪先生は上機嫌で「いいなあ〜」といいながら、高いびきで早々と浴衣姿のあられもない格好で寝てしまった。雪はやんで美しい星空、白雪の静かな越後路の夜。
1月23日(金)
午前10時、2ヶ月に1度のTA写真合評会始まる。TAに勤めた歴代のアシスタント達が自分のテーマをもって撮った写真を持ち寄り、竹内敏信(主人)が選評する。またお互いに批評をぶつけ合う集まりだ。アフリカの動物を撮っているもの、伊豆の海中を撮っているもの、山間の村に伝わる祭り神事を撮り続けるもの、草むらやアリンコ、何年もかけてモンゴルに通っているものもいる。最近では写真展を開催したり、写真集にまとめるものも出てきて、厳しいながらも写真家としての道を、みな真剣に歩んでいる。私は時々顔を出して励ましたり、頼もしく思ったり、それぞれの道を究めてくれることを願っている。夜は千駄ヶ谷の津田ホールへ。日本音楽集団のコンサート。YUKI森本氏の新作アンサ ンブルと尺八ソロ「アルカディア」の演奏を含む海外の作曲家の作品が並ぶ。テリーライリー作曲「In C」(1964)は編成や演奏の仕方によってもっと面白くなりそうな作品。楽しみにしていたタンドュンの作品「金雀」(1991)は期待はずれで残念。
1月21日(水)
昨年12月1日に行われた現代邦楽研究所主催・箏曲組歌演奏会の会合。非常に評判のいい演奏会だった。〜流派を越えて〜とタイトルにあるように、それぞれの個性の違いがくっきり表出した演奏だった。そのことが興味深くおもしろく、聴衆に伝わって、よかったのだと思う。箏曲組歌は現在の箏曲のもとになっている八橋検校(1614~1685)の作品を中心としたもので、単純な箏の奏法のうえに歌の意味が重なり、奥深い普遍性の高い音楽となっている。そのおもしろさを現代でも共有できる仲間が集まってこの会は組織されている。代表は鳥居名美野先生。本当に個性的なベテランからまだ若い箏曲家まで幅広いメンバーが顔をそろえ、あくなき芸談は尽きずに続いた。第4回組歌会は本年12月15日に紀尾井ホールで予定。
1月19日(月)
東急目黒線・大岡山に平和堂という漢方薬のお店がある。そこの根本幸夫先生は東洋医学の権威者で、長いこと大変お世話になっている。いつも身体も心もケアーしてくださる。今日は今年始めての治療日。アイスランドの事故のあとでもあり念入りにチェック。むち打ちを起こしている、とのこと。自覚症状は少しあるがあまり心配しても仕方ないので今日までそのままにしてしまった。それより頭のこぶがまだ少し痛む。全身に針を打ち、お灸をする。仕上げは指圧とマッサージで揉みほぐす。痛いのなんの「痛い!痛い!」と叫んでも容赦なくゴリゴリ。治療した後はお酒厳禁、お風呂もダメ。そのお陰で次の日からしばらくは身体が楽になり、元気で過ごせる。痛いけど有り難〜い漢方治療なのである。
1月18日(日)
2月に行われる現代邦楽研究所主催・古典作品演奏会の練習第一日目。生田流と山田流が合同で演奏するため「越後獅子」は生田流で、「東獅子」は山田流で統一し、演奏することにした。こうして細かく研究すると、同じ曲でも流派によって随分と違うことが解る。今はバラバラでほとんど一緒に演奏することが不可能な状態であるが、これから本番に向けて、それぞれが歩み寄り、練習を重ねていく。きっと楽しい「獅子もの」の演奏会になるだろう。
終わってから、今週末行われる、新潟県豊栄市のミュージアムコンサートのリハーサル。若いメンバーなのに、お疲れの様子で集中力に欠ける。これで本番は大丈夫なのかしら、、、と不安になる。特に私が唄う作品が2曲。どちらも唄の意味を無視して楽器を弾かれると、歌ごころが喪失してしまう。非常に不満な思いでリハーサルを終えた。これで今夜も不眠症に悩むことになる。
1月16日(金)
4月の「菜の花コンサート」のPAのことで、三味線かとうさんのところから山口さんが打合せに来てくれた。当日エレクトリック三味線(三味線かとう製作・夢絃21)を使用するかどうか、迷いがあって思案中。音の広がりや響きはエレキを使いたい、しかし他の楽器とのバランスを考えると使いにくい、、、、など。山口さんから様々な可能性とアドバイスを受ける。結局、当日リハーサルでやってみる、の結論に達した。話変わって、最近開発されたという三味線のネジ(糸巻き)を見せてもらう。なんと! あ〜ら不思議!! ネジが力を入れずにスッと止まるのだ。三味線をやったことのある人なら解る、その微妙なネジ扱い。調弦の時にはホトホト苦労する。それが全く何も力を加えないで止まるのだ。これはすごい!!! 早速、そのネジ付きの三味線を注文してしまった
。夜は浜離宮朝日ホールへ「あいおいの会」を聴きに行く。若い人たちが超党派で活動することはとてもいい。皆、フレッシュな力を発揮して、もう一踏ん張りほしいところ。そうすれば指揮はいらなかったのに、、、残念。
1月14日(水)横浜にて
夕方、横浜にやって来た。しかも電車で。普段、車でしか移動したことがない私にしては珍しいことだ。案の定トラブった。東横線に乗り換えようと渋谷駅の改札で出られなくなった。切符は吸い込まれたまま出てこない。どうしよう! 駅員さ〜ん。私の買った切符はJRのだそうだ。乗り換えの私鉄の切符、目白では買えないの????、、、やっぱり車で来ればよかった、、、、。しかし電車に乗って本が読めた。年末に送ってくれた和久洋三著「子どもの目が輝くとき」和久氏は芸大の1年先輩の童具デザイナー。子ども達の創意あふれる表現の世界を、その真価を犯すことなく、思う存分発揮できる環境を作るのが我々大人の役目なのである。私のやっている「子どものための邦楽器ワークショップ」と通ずるところがあり「一度ゆっくり飲みながら話そう」と嬉しいメッセージをもらった。楽しみ!
夜は中華街で美音会の仲間と賑やかに食事。食べ過ぎてまた太るなあ、、、横浜泊。
1月13日(火)
連休明けで朝から超大忙し。先週、まだお正月休みからの続きだった気分が、一変に吹き飛んだ。どこも同じなのだろうか、ひっきりなしの電話連絡。今年も宜しく、、、の挨拶を連呼する。いかにもこれから何かが始まるという気配充分。夕方から竹内敏信写真展「21世紀富士」のレセプション。写真展には恒例になった邦楽器の演奏を野澤徹也、佐保子夫妻に依頼。5時に会場入り。演奏位置などをチェックして準備しつつリハーサル。途中で玉木宏樹氏登場、近所の整体治療の帰りだとか、、、風邪気味で元気ナシ。野澤徹也がCD録音した「ジャワリ」のソロバージョンを聴いてもらう。アドバイス一言あり、その後の演奏がガラっと変わってよくなる。まるで手品のようだ。レセプションは大勢の方に集まっていただき賑わった。せっかくの演奏もかき消されるほどだったが、若い二人はめげずにいい演奏をした。終わって2次会。ウイーンから来日中の作曲家・YUKI森本氏を交えて、上機嫌の竹内ともども日本酒の杯を重ねた
1月11日(日)
現代邦楽研究所・特別講座「獅子もの」について、講師・茂手木潔子。実技講師・深海さとみ「越後獅子」。亀山香能、西潟昭子「東獅子」。
25名以上の参加者と共に楽しく賑やかに2時間半を過ごした。
「獅子もの」の原点は民俗芸能の獅子踊(鹿踊り)と言われ、小河内(現在の関東の小河内ダムに沈んだ地域)の鹿島踊「さんころりん」の歌に
 
  「山々の 田にも清水は 嫁御に落ちて 名も高き
  浅ましや 女の身なれば 一夜に落ちて 名を流す
  それとても 大事ござらぬ 若いが二度と あるにこそ」

 
いいよね〜 このおおらかさ。獅子ものは単にリズミカルで楽しく弾くのではなく大らかさが大切なんじゃあないかしら、、、、。さらに「糸竹大全」の獅子踊前歌というのには
 
  朝顔の 花の上なる 露よりうすき おなさけを
  身をやつす しづが思いを 夢ほどさまに しらせたや
  あさましや しづが身はただ 一夜で落ちて 名をながす
  それとても 苦しうござらぬ はらいがふたび あるにこそ
  かまくらの 御所のお庭で ススキと雪とが 恋をする
  あさましや 雪は消えゆく ススキは穂にでて 乱れあう
  かまくらの 御所のお庭で 十七小じょろが 酌をとる
  酒よりも さかなよりも 十七小じょろが 目についた
  目につかば 連れてござれの 江戸品川の 奥までも
  虎伏す野辺の すえまでも
 
いやあ、いい、いいなあこういう色気のある大らかさ。現代がいかにせちがらいかって言うことですかね。2月22日の古典作品演奏会までは大らかに「獅子もの」を楽しみたい。

1月9日(金)
午前中はフィットネスクラブへ。昨年から再開してる水中歩行。三味線を弾いていると下半身が弱る。しかもいつも車の運転で運動不足。膝、腰、背中、肩、首いつもどこかが痛い。そこでストレッチをしたり泳いだり、水中を歩いたり、2時間はたっぷりかかるが、水の中は気分がいいのでリフレッシュ効果満点。爽快な気持ちで気分よく、山積みとなっていた仕事がドンドンはかどる。三味線を練習しながらたまっていた洗濯も、、、、。何もかもやり過ぎるのは私の悪いくせ。昨年のあの半年間の苦しみを思い起こし、ほどほどにしなければいけません。注意注意。その苦しみとは6ヶ月以上に及んだ欝症状のこと。今年は元気に生きたいものだ。

1月8日(木)
午前10時。TAオフィスの全員が揃って本年度始めてのTA会議。チーフの阿南の顔の傷は薄らいでいるが、顔色悪い。お正月ボケのせいか皆、元気なく反応がいまいち。大いに元気で今年は、、、、と張り切っているのは私だけか、、、。午後3時から西麻布のアルキで4月8日の「菜の花」コンサートの打合せ。と思ったら玉木氏から電話で事務所、工事でうるさいからフレンズでとのこと。私の知る限りではあの事務所はいつも工事中に見舞われている。よくそんなところで仕事出来ますね〜しかも作曲家が、、、。純正律音楽研究会の馬場さんともども詳細な打合せ。終わって新年会! でも事務所の田村さん風邪で休み、馬場さんも早々に引き上げてしまい、玉木氏と二人で今年の抱負、来年のことなど新しい発想もあり有意義な新年会。

1月6日(火)
快晴。三味線とパソコンを持って山中湖へ。本来ならば明7日に帰国予定だったので、まだまだおまけの日々。しかし、東京に居るとなんとなく焦る。あれをしなければ、これをやらねば、これを練習して、、、、、などなど強迫観念に襲われる。定宿にしているホテルマウント富士へ、母を誘って温泉でゆったりしてもらう、親孝行も兼ねる。ここはプールも温泉もあって、しかも絶景の富士山を眺めながら練習が出来る。あっ! 肝心な楽譜を忘れた!私は楽譜がなければ全くお手上げ状態。サッチャンに指令を出す「「越後獅子」の三絃譜をホテルにFAXして〜〜」夜、手元に届いた楽譜と格闘。練習すべき曲は現代曲2曲、古典2曲だったのだが、、、、結局さらえたのは2曲のみ。しかし富士山はいつ見ても見事な雄姿だ。満月に映える夜の富士も美しかった。
1月3日(土)
予定ではまだアイスランドにいることになっている。トクしたような気分でゆっくりと初詣にでも、、、と思っていたら、ダンナの「映画に行くぞ!」の一言で決まってしまった。トム・クルーズの「ラストサムライ」。しかもいまだ行ったことのない六本木ヒルズへ。人、人、人のゾロゾロ歩き。こういうところははっきり言って苦手、嫌いだ。ブランドショップが建ち並んで迷路のよう。案内役のサッチャン(吉原佐知子)がいなければ、途中でめげて帰ってしまったかもしれない。
映画と言えばポップコーン、それにビールを片手に。この映画は展開がスピーディーでおもしろい。トムクルーズはちょっとくさい感じだったけど渡辺ケンの表情が印象的。不思議なのは山深い里にすごい美女が住んでいること。小雪という女優だとサッチャンから教えてもらった。楚々としてきれい!憧れるなあ、こういう細面。久しぶりにいい映画を堪能した日だった。
2004年1月1日(木)正月
私の59回目の誕生日。華々しい花火のレイキャビックのホテルで年越しをした。阿南が非常に具合悪そうにしているので、今回の取材断念。日本の病院で検査した方がよいと思うので、今日で切り上げて帰国することにした。あさ5時半ホテルを出発、空港へ。勿論まだ真っ暗。竹内は残念そう。アイスランドの冬の風景は想像以上に素晴らしいからだ。白い天空の中から幻のように雪山が現れてくる、この醍醐味をあきらめて行程の半分で帰らねばならない。それもこれも私の運転技術の甘さ故だ。ごめんなさい。でもまたきっと来るからね。