2004年 4月
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4月29日(木)みどりの日
午前中、プールで水中歩行40分。午後から上野の芸大へ。クルト・マズア氏の指揮科マスターコースのレクチャーを1時間ほど見学。芸大へ来たのは久々。お天気のよい祝日とあって上野界隈は人も車が多く、賑わっていた。婦人警官が厳しく違法駐車をチェックしては、変テコな黄色い札をはめて廻っていた。パーキングエリアの時間超過の車にまで及んでいて、駐車するところを見つけられず、上野の山をグルグル回って時間が経ってしまった。なんだか訳もなく腹立たしくなった。このあたりは40年前の学生の頃とあまり環境の変化はないのだけれど、4年間通ったわりには、懐かしさは全く感じない。せっかくクルト・マズア氏のいい音楽を体感したのに、気分がよくなくなってしまって残念。もしかしたら芸大時代の劣等生だった頃を思い出したのか、学校嫌いの記憶が、身体の奥底に残っているのか、、、、。
4月27日(火)
風と雨が猛烈に強く、春の嵐が各地に被害をもたらした。道路状況が悪いかと思って、早めに目白を出発。溝の口の洗足学園音楽大学へ。いつもより空いていて40分で到着。本日は来年度からの「邦楽コース」のカリキュラムについて、現邦研でいつもお世話になっている音楽学者・森重行敏氏と作曲家・佐藤昌弘氏。それに大学のカリキュラムスタッフ。2時間近く大まかなコンセプトを話し合う。
また、私の来年のコンチェルトのコンサートについて万代理事から何らかの協力を得られそうな回答。途中から合流した岡田学部長から洗足学園音大フィルハーモニーでやろうと提案があり、嬉しいかぎり。将来的に様々なことが実る気配があり、一人密かに祝杯をあげた。
4月25日(日)
昨日と今日は5月2日に行われる箏曲美音会の下会わせ(総練習)。助演の先生方にもお付き合いいただき、本番通り1回こっきり、演奏するのだ。目の前に関係者が居ての演奏ほどイヤなものはない。必要以上に緊張したりして、堅くなる。よく言われる「頭が真っ白」状態になるのである。楽譜を見ているのに、自分がどこを弾いているのか判らなくなったり、声がうわずってしまったり?詞を忘れたり、、、と普段は思いもかけないコトが起きる。圧巻だったのは米澤俊祐。野沢徹也を助演に「ジャワリ」に初挑戦。途中から何がなんだかワケがわからなくなったらしく、ハチャメチャ。それでも手は動いているので、キョンキョンキョンキョン、キョンキョンキョン・・・・。本人、大まじめで、聴いている方は、笑うわけにはいかない。お腹がよじれるほどおかしくて、懸命にこらえて涙がでた。泣けるほど抱腹絶倒の「ジャワリ」。本人、米ちゃんは泣けるほど悔しかっただろう。本番はいかに、、、。
4月23日(金)
午前中、TA会議。午後レッスン。あわただしく目白を脱出。夜はサントリーホールで、クルト・マズア率いるフランス国立管弦楽団のコンサートへ。マズア氏の奥様の偕子さんの計らいで、2階正面の招待席が用意されていた。同行した吉原佐知子は大喜び。本日のプログラム、ブラームス交響曲1番と4番。内心ちょっと重いなあ、と思っていたら、、、、、
全然違っていた。エスプリに富んだその音楽は、本当にこれがブラームス?と思わせるような、、、、言葉では言いがたいのだけれど、、、、。ステージから音楽が、泉のように沸き出てくるような感じなのだ。自然で美しく楽しい音楽だった。だれかがクルト・マズアは世界一の指揮者だと言ったことが真にうなずける。アンコールのハンガリー舞曲は、これはもう脱帽。幸せに満たされて、佐知子と乾杯の夜となった。
4月18日(日)
竹内の写真展が大阪・富士フォトサロンで開催されているため、昨日から大阪に来ている。夕べ泊まったホテル・ハイアットリージェンシーが大阪湾に面していて、市内からあまりにも遠いため、本日は中之島のリガロイヤルに変更。どちらも部屋の設えはいいのだが、こちらのほうが大阪らしい景色が楽しめる。
午前中は大丸ミュージアムで開催されている、三好和義氏の写真展を見に行った。人気の写真家だけあって来場者が多い。作品の見せ方が凝っていて屏風あり、掛け軸あり、ふすまありと様々。仏教など精神思想を反映させた作品と人気シリーズの「楽園」が混在となった不思議な空間だった。写真の見せ方について考えさせられる写真展だった。
夜はオーディオマニアの大石氏と食事。相変わらず不思議グッズを持っていて、音がよくなるからと携帯電話に何やら貼ってくれた。先日取材を受けた「A&Vヴィレッジ」は愛読書らしく、私が今度の号に載る、と言ったら大いに驚かれた。ワケのわからないエネピッコのこともよ〜く知っていた。
4月16日(金)
午前中、目白リッチモンドホテルのフィットネスクラブへ。プールで40分の水中歩行。この頃足腰の痛みがひどく、歳だなあ〜と嘆かわしい限り。午後からレッスンが目白押しで夜までかかった。5月2日の美音会演奏会のために皆、急にまじめになったのだ。しかし本番直前にレッスンしてもダメではないのか、、、。私が若い時など(こういう言い方は婆ばあくさくてイヤなのだが、、、、もう婆さんなんだから仕方ないかあ)、本番に弾く曲は1年くらい前に準備を始めたものだ。今の若い人たちはたった1回レッスンを受けて、もう本番。よほどの天才でない限り、これじゃあまともな演奏にはならない。それでもレッスンを受ければ、ましな方だ。楽譜と音源だけで、しゃあしゃあと図々しく、間違ったまま気づかずに演奏してしまう人もいるとか、、、。若い人が自由に演奏の場を持てる環境はとてもいいのだが、それだけに責任ある演奏を心がけて欲しいものだ。レッスンを受けようが受けまいが、どっちでもいい。いい音楽であれば、、、。うまきゃ、いいのよ!
4月14日(水)
河口湖からの帰りに溝の口の洗足学園音楽大学へ。来年立ち上げる現代邦楽コースのことで万代理事と打合せをする。今年一年かけて様々な準備をしていくことになる。まずは入学試験曲の選曲、カリキュラムのこと、楽器や教室などの施設面、現邦研からの講師先生方の体制など、、、、、現邦研の今までの10年間の積み重ねがどう生かされるか、我ながら楽しみである。 4月に入って1学期が始まり、洗足学園音大内には活気が満ちている。邦楽コースも方法論と宣伝によっては、今まで、どこにもなかったような現代邦楽コースガ出来るのではないだろうか。私の教育基本方針は次の通り。
*次代を担う邦楽家の育成。
*邦楽アンサンブルの養成。
*学校教育現場で役に立つ、邦楽に精通した音楽教師の育成。
*邦楽ワークショップリーダー、ワークショップサポーターの育成。
*邦楽器による音楽療法士の資格取得
などなど、他にもやりたいことは次々と浮かんでくる。どこまで実現できるか、私の努力と多くの方々の協力が必要なのである。
4月13日(火}
朝10時、目白・TAスタジオを出発。昨年に続いて2回目となる河口湖の老人医療施設「はまなす」での邦楽ワークショップに出かける。愛車RX-8には野澤佐保子、吉原佐知子、木村陽子が同乗。レンタカーのワンボックスには運転手兼記録係のカメラマンの福島と尺八の山口賢治。上原潤之介の車は高井戸から松本京子を乗せて中央道で河口湖へ。総勢8名。車中ではちょうどNHKラジオ「わくわくラジオ」に竹内がゲスト出演して1時間のおしゃべり。途中で今日も演奏することになっている「桜ファンタジー」と「ジャワリ」の演奏が聞けた。ワイワイと到着。
午後、富士急でひとりやってきた玉木宏樹先生(鉄道マニア)と合流。ご老人方は楽しみに並んで待っていてくださった。いつも慣れ親しんで歌っている歌「さくら」「浜辺の歌」「猩々寺の狸ばやし」「みかんの花が~」「荒城の月」「炭坑節」などを歌いながら、手拍子をとり、箏や三味線、尺八と一緒に歌う。楽器にも触れて音を出して欲しいのだが、恥ずかしがってなかなか手が出ない。それでも終わってから「いい音だね~」と涙っぽい目で喜んでくださった。終わってから施設長の福田六花氏とスタッフの皆さんともども会食。我々は河口湖温泉に泊まって、またワイワイ。
4月12日(月)
過日、NHKで録音した山田流箏曲「桜狩」が放送された。午前11時からの数少ない邦楽番組・NHK-FM「邦楽のひととき」。1年に2~3回くらいしか放送のチャンスがないから、我々邦楽の演奏家にとっては貴重な番組出演だ。いつも放送の時間を忘れてしまって聴くのを逸してしまうのに、今回はばっちり聴けた。全体の流れはまあまあいいのだけれど、合ってない音が時折気になる。古典演奏はアバウトな演奏でもよしとする風潮があるようだが、私はぴったり一つに息を合わせて演奏出来ることは、必然性があると思っている。絶妙な間や微妙な半音程などぴったり合わせることが出来れば、新しい古典の可能性が出てくると思っている。それは根底にしっかりした音楽的素養と音へのこだわりがないと、うまくはいかない。古典作品が現代に生き残れるかどうかは、そういう地道な努力にかかっているのではないだろうか。
 夕方、今年からスタートした都立・大江戸高校(すごいネーミングだけど)の邦楽の授業に関して、打合せがあった。高校生が日本の伝統文化をしっかり学べるという、この新しい高校には期待が持てる。
4月10日(土)
午前中プールへ行こうと思っていたが、疲労困憊。どうにもエンジンがかからない。身体の動きが鈍く、へんにゃりして何もやる気にならない。今日になって菜の花コンサートの疲れが出てきた。午前中はベッドでウトウト。
 夕方、目白の「揚子江」でTAアシスタントの新人歓迎会と歓送会。TAでは3年でアシスタントを卒業する仕組みになっている。今年は京都からきた口の達者な種清くんと群馬県出身で男っぽい福島くんが写真アシスタント、それに現代邦楽研究所の新たなスタッフとして三味線を勉強中の米澤くんが入ってきた。卒業するのは九州大分出身の阿南くん、歴代のアシスタントや先輩たちが25名くらい集って賑やかに、、、。若者は残して、早々に帰ってバタンキュー。
4月9日(金)
まだアルコールが残っている。ちょい二日酔いだ。それなのにNHK総合テレビ「お昼ですよ、ふれあいホール」竹内がナマ出演するので午前10時に渋谷のNHKへ。NHKホールの隣に新しく建てられた「ふれあいホール」で花をテーマに、桜の撮影のことや花の撮影についてお話しする。しかし、夕べ飛び込んできたイラクの日本人拉致事件の特番で本番は収録に変更になった。放送は11日の深夜になる予定。
 「出るわよー」と電話した身内は、きっとテレビの前でがっかりしていることだろう。夜は大岡山、平和堂へ。根本先生の治療。昨日の熱演のせいか持病の腰痛が一段とひどく、足腰が痛む。鍼とお灸と指圧マッサージで入念に治療。
4月8日(木)
いよいよ、菜の花コンサート本番の日。心配したお天気も、夕べのうちに降ってくれた雨が、朝は上がっていた。よく眠れて気分はいい。午前11時abc会館ホール到着。すでにスライドチェックが始まっていた。ステージいっぱいにスクリーン画面を使用するため、反響版は取っ払ってもらう。PAをするので音響的には問題ないと判断。ゲネプロ終わって少々疲労感がある。少し休憩のあと、雑念を払い、集中力を高めるためにそれぞれの演奏曲をシュミレーションする。楽屋の雑談の声が気になるので、結局は弾いて音をだしてしまう。
 本番は無事終了。ひと頃のような本番恐怖症はなくなっていた。共演者のエネルギーに助けられたことも大きい。お疲れさま!打ち上げでは、静かに飲み始め、徐々に盛り上がり、2次会の時には本番の時の3倍くらい元気になっていた。玉木先生と大いに飲んで、サッチャンと一緒にタクシーで、、、、、午前1時過ぎに帰宅。
4月7日(水)
コンサート前日は本番のこと以外は考えないようにしている。午前中と午後に一回づつ本番の流れと同じ要領で弾いてみる。すでにどの三味線を何の曲で使うかは通し稽古までに決めていた。が、なんと! 昨日の稽古であまり力みすぎたせいか、バチの先が飛んでしまったのだ。使うバチを変えたために楽器も変えて使わざるをえなくなった。慣れていた欠けたバチの先を眺めてはため息。
 一番集中力を必要とするのは三味線の糸の張り替え。三味線は準備さえ怠りなく済ませておけば、ひとまず安泰。夕方、西麻布の玉木事務所アルキへ。明日の本番の司会の流れの最終確認と打合せ。「調子はどうだい?」大将、玉木氏はいつもよりやさしい感じで気を使っている。「いいですよ、絶好調よ」私も心配かけてはなるまいと平静を装う。打合せ終わって本番のために栄養を付けたいと言ったら「充分付いてるじゃない」だって。ううっ! それでも焼き肉をご馳走になり、明日はがんばるぞー!
4月6日(火)菜の花コンサートの通し稽古日。
菜の花コンサートの本番まで2日と言うところに来てしまった。今になって言っても始まらないが、自分のリサイタルでもないのに、5曲を演奏するのはちと多すぎる。だいたいプログラム全部で8曲も演奏すること自体多いのだ。じゃあどうすればよかったのだろう、、、、このようなことを言い出すとまたまた作曲家ともめることになるから、辞めておこう。いろいろ考えると頭がうっとうしい感じになるので、考えるのは辞めた。決まったとおりに本番を向かえるのが一番いい。しかし本番前は細部に及んで気になることが次々と浮かんでくる。普段は気にならないお風呂場の目地の汚れさえ、きれいに磨きたくなるのだ。止まれ! 平常心、平常心。
 夜10時、熱のこもった通し稽古が終って、目白「ちょっとはいる」でビールを飲んで息を抜く。邦楽のコンサートは初めてという舞台監督の黒木氏が張り切っていて頼もしい。
4月4日(日)
「菜の花」コンサートの練習のため、身体がこわばってきた。新曲だけでなく再演の曲もこの際、一からやり直して練習してみる。今までいい加減にしてきたところも、クリアーにしていくと、どの曲も結構たいへんなのである。う〜ん、練習は充分ではないけど、気分転換がしたくなった。ベランダに飾る春の花を買ってきて、鉢に植え替えて飾った。我ながら満足。
夕方6時からTAスタジオで石垣清美さんと「ピンダロスの涙」の練習。ピンダロスはギリシャの音楽家で詩人の名前。慟哭のような旋律が続く。魅力的な作品なのだが、体力勝負の曲だけに、清美さんと「老いにむち打ってがんばろう」などと言いつつ、、、1回弾き終えるたびに「ふーっ」とため息が出てしまう。お疲れさま! 本番はこれからだけど、、、。
4月2日(金)
午前中、プールで40分間の水中歩行。コンサート前の集中的な練習をするようになると、右足を踏ん張るせいか、足の付け根から腰にかけて、痛みが強くなる。水の中で充分動かしていると腹筋と背筋が支えとなって痛みが和らぐ。加齢と言われればそれまでだが、すっかり持病になってしまったのは悲しい。
午後から乃木坂の福永千恵子さんのところで「畝土奈(セドナ)」の練習。箏の美しい響きに合うように、津山バチで弾くことにした。少しづつ、この曲の景色が見えてきたように思う。新作を自分の音楽として捉えるには、時間が必要なのである。それなのに玉木氏「やさしいだろ〜」ってか。全然やさしくない!!
夜は中野富士見町の新しいギャラリーHORIがオープン。竹内敏信写真展「櫻」でこけら落とし。東京の桜はそろそろ散り始めたが、こちらは全国のどの作品も満開。大にぎわいのオープニングパーティーだった。二次会は目白の「ちょっとはいる」